見出し画像

非日常をオモシロがるところから、対話をはじめたい。滞在制作テーマは「子どもたちとサーカス!」#交換留藝 #ケアの文化 #子どもを起点にした場所づくり

1、交換留藝2022最初のゲスト:SLOW CIRCUS PROJECTより金井ケイスケさん、鈴木彩華さん

ケアの現場と接するほっちのロッヂで、ここでしかできない創作活動を支援する滞在制作企画「交換留藝」。2021年は二人のアーティストを迎え、普段は医者や看護師、介護士や保育士として活動するほっちのロッヂのメンバと共に、創作の視点を探ってきました。

2022年最初のプロジェクトでは、パラリンピック2020開閉会式の演出・振付・出演等で大活躍したNPO法人SLOW LABELさんより、長野県在住のパフォーマー・金井ケイスケさん、鈴木彩華さんの2名をお迎えします。

profile_アートボード 1

SLOW CIRCUS PROJECTとは・・・
サーカス技術の練習や習得を通じて協調性・ 問題解決能力・自尊心・コミュニケーション力などを総合的に育むプログラム。世界各地で貧困・難民・虐待などに起因するマイノリティのエンパワメントに活用されています。

2017年よりシルク・ドゥ・ソレイユのサポートを受け、イタリア・アジア・南米など世界各地でソーシャルサーカスを実践する団体と連携しながら、多分野の専門家と共にプログラムを開発。中学校や障害者福祉施設、子育て世代や次世代ビジネスリーダー向けなど多方面でのプログラム実践や、障害のある人とのパフォーマンス創作、トレーニングなどに取り組んでいます。

金井ケイスケ(SLOW CIRCUS PROJECTディレクター)
サーカスアーティスト。中学生で大道芸を始める。文化庁国内研修員として能を学んだ後、文化庁海外派遣研修員として、日本人で初めてフランス国立サーカス大(CNAC)へ留学。卒業後フィリップ・デュクフレ演出のサーカス作品でヨーロッパツアー後、フランス現代サーカスカンパニーを立ち上げ世界35カ国で公演。2009年帰国。2015年よりSLOW LABELパフォーミングディレクター。東京2020パラリンピック開会式サーカス振付。

鈴木彩華(SLOW LABELアカンパニスト)
東京都出身。上智大学卒業後、英国Trinity Laban Conservatoire of Music and Danceで子ども・高齢者・障害者など幅広い層を対象にしたコミュニティダンスと呼ばれる身体表現の手法を学ぶ(準修士)かたわら、幼児対象のダンスクラスのアシスタントを務めた。帰国後はSLOW LABELでアカンパニストや演出助手として携わるほか、コンテンポラリーダンス作品への出演や自身での創作・公演活動を行う。

パラリンピック東京2020開会式・ダイジェスト映像はコチラから!

2、日常と非日常へのまなざしの交差をオモシロがる、子どもたちとの空間づくりを

ほっちのロッヂの成り立ちに欠かせないのが、子どもたちの存在です。2015年夏から2019年夏まで開催してきた「軽井沢キッズケアラボ」でのご縁や、ほっちのロッヂのお隣にある「風越学園」の設立が追い風となりながら、ほっちのロッヂをつくる原動力となってきた思い。

子どもたちが中心となる場所を作りたい。ケア職って、ものすごくポップでクリエイティブでやりがいがある仕事だねって、子どもたちに見せたい
―― 2018年12月18日の対談より

そうしてできたほっちのロッヂには、子どもたちが予防接種や健診のために、あるいは病気になって回復するためにやって来たり、医療的ケアと共に生きる子どもたち、アート活動を楽しみに来る子どもたちがやって来たりします。

そんな日常には、こんな風景が。

画像7

「なんでこの子はホースつけてるの?」
「このホースと、その先についてるマシーンは、この子が息をするのを助けてくれてるの。だから踏んづけたり引っこ抜いたりしないで、大事にしてね」
「なんでこのおばあちゃん、寝てばっかりいるの?」
「このおばあちゃんはすぐ疲れちゃうんだ。目は閉じてるけど、ちゃんとお話は聞いてくれてるから、いっぱいお話してあげてね。」

ある人にとっては日常でも、誰かにとっては非日常。非日常をオモシロがるところから、誰かをもっと知るための対話が生まれているのです。

病気、障がい、年齢、性別・・・、私たちは自分たちが思っている以上に世界に線を引いて、小さく区切られた世界の中の「日常」を守ろうとしていないでしょうか。そういう世界観が、時にかなしい差別や偏見を生み、関心すら持てないくらいにお互いを隔ててしまうこともあります。

「どうして?」
「なんで?」

オモシロがる、というのは、決して誰かをからかったり、冷やかしたりすることではありません。でも、自分にとって当たり前だったことが、当たり前ではなくなった時、どうして?と興味を持つこと。興味を持ったら、どうやって理解したらいいかを話し合ってみること。

画像6

今回のプロジェクトでは、ほっちのロッヂで毎日のように繰り広げられているプロセスに注目しながら、私たちならではの「オモシロがり方」をあぶり出していくことを目指します。

3、関連イベントのお知らせ

※新型コロナウィルスの感染状況により、開催日程・時間が変更になる場合があります。変更がある場合はその都度お知らせしますので、あらかじめご了承下さい。

❚ 金井ケイスケ&鈴木彩華によるジャグリング教室
日時:2022年3月19日(土)13:00~14:30
場所:調整中
定員:10組(親子参加も可能)
対象:自分で道具を持つことのできるお子さんとそのご家族
   ※子どもアトリエへのご入会が必要です。詳細はコチラ
参加費:1,500円/人(保険料込)
お申込み:ほっちのロッヂの文化企画(担当:唐川、松永)

画像1

SLOW CIRCUSディレクターの金井ケイスケが、ジャグリングの基礎を楽しく伝授。色々な道具を使いながら、チャレンジする楽しみ・できたときの達成感を味わってみませんか。

❚ オモシロがり屋のサーカス合宿
日時:2022年3月20日(日)13:00-14:30
場所:調整中
定員:10組
対象:道具を自分で持ったり、姿勢を保ったりするのに支えが必要なお子さんとそのご家族・ご友人。呼吸器、たんの吸引などが必要なお子さんは、事前にご連絡下さい。
お申込み:ほっちのロッヂの文化企画(担当:唐川、松永)

画像2

画像3

交換留藝の一環で制作した、できたてホヤホヤのワークショップをいち早く体験!ご家族やご友人を誘っての参加をお待ちしています。

❚ 気球を飛ばそう!軽井沢キッズケアラボ2022
日時:2022年3月20日(日)15:00頃~17:00頃まで※雨天荒天中止
場所:調整中
対象:軽井沢町近郊にお住まいで、気球に乗ってみたい方
お申込み:不要

画像4

軽井沢キッズケアラボ恒例となっている気球イベントが復活。どなたでも試乗できます。お天気を願って、浅間ビューを楽しみましょう。

4、軽井沢キッズケアラボ再開にエールを!

クラウドファンディング、実施中!(~3/7(月)11:00まで!)

2015年から2019年の5年間、子ども達の夏休みに合わせて一時的な滞在拠点を開設し、全国から医療ケアと共に生きる子どもたちとその家族が利用できる場所として活動を続けてきた「軽井沢キッズケアラボ」。毎年のべ100名以上の参加者を受け入れてきました。

こうした5年間の軽井沢キッズケアラボの取り組みを経て、より新しい体制で活動を継続していきたい。そう考えていた矢先、新型コロナウイルス感染症が拡大していきました。他県への移動制限はもちろん、誰もが家の中に閉じこもることを余儀なくされ、大切な人と過ごす時間や友人と楽しく過ごす時間を奪われました。私たちが関わる子ども達も外出などの活動ができず、イベントを企画しても中止になるなど、従来の活動ができない日々が続きました。

はじめはコロナに感染しないために我慢が必要だと感じていましたが、先が見えない状況が続く中で、「このままでいいのか」「コロナ禍とはいえ子どもの成長まで止めるわけにはいかないのではないか」そんな想いも私たちの中で芽生えはじめました。

私たちは“コロナ禍だからやめる“ではなく、“コロナ禍だけどできる“という視点にシフトし、軽井沢キッズケアラボのあり方を模索し続けました。

(クラウドファンディングページより抜粋)

2022年、3年ぶりに軽井沢キッズケアラボが復活します。これまでは夏休み期間に限定して実施してきましたが、ほっちのロッヂを利用しながら、年間を通して滞在ができるように活動をリニューアルすることになりました。

再開に向け、施設整備やイベントのための資金をクラウドファンディングサイト・ReadyForで募っています。詳細はリンク先よりご覧ください。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

あの人に届くと、もしかするといいかもしれない、そんなことが頭に浮かんだならば、ぜひ教えて差し上げてください。

ほっちのロッヂにご興味のある方は、よければ、ご友人に直接話をしてくださったり、このnote記事に「スキ」、ツイッターなどSNSでシェアしてくださると、嬉しいです。

ほっちのロッヂ
info@hotch-l.com
書き手:唐川
文責:藤岡

(2022.2.15)