見出し画像

「何か一つ強く好きなものを見つけたら、あとは行き当たりばったりでいいのよ」お待たせしました!アウトプットDAY①リポート&動画 #交換留藝 #演劇 #人生、是、喜怒哀楽

7月末から演出家のまんぼさんと共に展開している「人生、是〈アレコレ〉、喜怒哀楽プロジェクト」。8月7日(金)、インターンで1週間ほっちのロッヂに滞在した医学生・きみさんが、ここで感じたことをダンスで表現。その思いや当日の様子を、きみさん本人の文章でリポートしてもらいました!

信州大学医学部医学科5年の井澤薫実(いざわゆきみ)と申します。8月3日(月)から1週間、ほっちのロッヂでインターンをさせていただきました。

1.私のことと、ほっちのロッヂに来た理由

私は、中学2年生で病気をして以来、2本杖と車椅子を併用して生活をしています。私の夢は、病気になり障害を持った時に、自分が欲しかったものを作ることです。歩行に障害をもって生活をするようになった時、車椅子でどうやって社会の中で生きていけばいいのか全くわからず、時間と労力を使って1つずつなんとかやっていく日々で、障害を受け入れることもなかなかできず、苦しい思いをたくさんしました。また、すべてが私の障害のせいではないとはいえ、自分の障害が家庭に大きな影響を与えてしまい、社会から家族へのサポートも無いまま、壊れていく家庭をただただ見ているしかありませんでした。

病気をきっかけにつながった縁で、信州大学の医学部に進学し、少しずつ自分の障害を受け入れて前向きに生活できるようになり、苦しかった思い出が少しずつ「あのとき、誰かサポートしてくれる人が欲しかった。そんな人になりたい」という夢に変わっていきました。障害福祉に関わりたくて、聴覚障害の方の文字通訳をしたり、大学のバリアフリーマップの作成や、四肢麻痺の方のボランティア、車椅子バスケや車椅子陸上などのパラスポーツなど、様々な事に興味を持って行動してきました。

けれど、医学部での学びや、大学病院での実習の中では、自分がやりたいことに近いことをできる働き方には出会えませんでした。どうやって働いたらやりたいことが出来るのだろうかとたくさん調べて、一般企業でのインターンや厚生労働省の方にお話を聞いたりと、将来に悩んで右往左往して・・・そんな中で紹介してもらったのが「ほっちのロッヂ」でした。

2.ほっちのロッヂで感じたこと

ほっちのロッヂに来て、まず始めに感じたのは「驚き」でした

診療所とは思えないような環境、医療職だけではなく様々な職種の方が共に働いていること、ゆったりとした外来の雰囲気や患者さんとの関わり方。大学病院で1年間実習してきた私にとって、ほっちのロッヂは新鮮で、驚きに満ちていました。

子どもたちが走り回り、その片隅で通所介護に来ているおじいちゃんが子どもたちの声に頬を緩め、あちこちで職員の方が仕事に集中していて、お昼頃になると台所からいいにおいがしてきて、2階の診察室から下の様子をのぞくことができる。診察の時間もたっぷりあって、色んな話をしたり、診察が終わってもそのあとほっちのロッヂでゆっくりしていく人もいて。ほっちのロッヂは、地域の中に溶け込んで、その中に診療所もついている、というような環境でした。「病院=こわい」というイメージとはかけ離れていました。

驚きの中でも、1番私の琴線に触れたのは、患者さんとの関わりが「患者さん」という側面だけでなく、その地域に住む一人の人として関わっていることでした。医師と患者、看護師と患者というつながりだけではなく、地域の中でのつながりが診察でも見えて、患者と医療者という役割で区切るような関わりではなく、一人の人間同士の関わりをしていることが本当に印象的でした。

他にも、驚いたことや、学んだこと、考えたことはキリがないほどあげられて

・子どもたちから学んだこと
・日本の教育のあり方
・「家」という空間が生み出す力
・生活の場を医療の場にしないこと
・病気になる前から関わることの意味

などなど、止まらなくなるのでこの辺で止めますが、ほっちのロッヂで過ごした時間は、感情の動きと思考が止まらなくてあっという間でした。ほっちのロッヂに来なければ、出会えなかった人や気づけなかった気づきが山ほどあって、来て良かった、と心から感じました。

3.アウトプットは、ダンスで。

まんぼさんから、「インターンでの感情の動きを、何かアートで表現してほしい」と言われた初日。アート?そんなの全然縁がないよ・・・と途方に暮れてしまいました。

自分にはどんな表現が出来るだろうかと考え続けて、ふと頭に浮かんだのが「ダンス」でした。幼稚園から、障害をもってやめるまで続けたダンス。体を動かすことが好きで、今でもダンスやバレエの動画をよく見る私にとって、ぴったりな表現方法なのではないかと思い、1週間のアウトプットをダンスにすることにしました。

約10年ぶりのダンスは、本当に新鮮でした。足が悪くなった直後は、悔しくてダンスを見ることも出来なかった自分が、まさかまたダンスに挑戦する機会が来るなんて思ってもみませんでした。

いざ、曲を決めて振り付けをつけようとしても、これがなかなか難しくて。全然振り付けが進まずに悩んでいたのですが、子どもたちが自分の感情をそのまま体で表している様子を見て、うまくやろうとか、どうやって人に見せるかばかりを考えて、自由に表現することが出来ていない自分に気付き、あまり考えずに感じたままを表現するようにしたら、すんなりと1曲振り付けをすることが出来ました。障害を持つ前はできた表現が出来ないことにくやしさや悲しさも感じたけれど、それもダンスにしてしまえばいいんだ!と気付けたのも、子どもたちのおかげです。

アウトプット本番は、舞台を整えてくれたエミリーさんや、一緒にインターンをしたゲンゲンのサポートのおかげで、びっくりするほど素敵なアウトプットの場を整えていただきました。子どもたちやほっちのロッヂの皆さんの前で、思いのままに踊り、表現するってこんなに楽しいことだったのだと感じて、踊り終わった後の、言葉に出来ない高揚感は今でも忘れることが出来ません。ダンスの後、子どもたちにもらった絵や、通所介護に来ているおじいちゃんにもらった「たいしたもんだ」の言葉は、私の宝物になりました。

スライド2

スライド1

アートなんて縁が無いと最初に思った私ですが、そういえばピアノも絵画も習っていたし、習っていなくたって表現の方法は無数にあるということに気付いたし、アート活動って人間にとって欠かせないものなのではないかと考えるようになりました。

※学生インターンのゲンゲンが監修・撮影・制作を務めた、きみさんのダンス動画はコチラ!

4.ほっちのロッヂでもらったものを、これからにつなげていきたい。

平たく言うと「自分のキャリアを考える」ためにほっちのロッヂに来た私ですが、自分のキャリアに対してはもちろんですが、数え切れないほど多くのものをいただいて帰ってきました。2つだけ書きたいと思います。

1つ目は、病気や障害を持っても「出来た!」を体験出来るようなサポートがしたいということです。病気や障害を持つと「出来ない」ことばかりがどんどん見えてきて、新しく「出来た!」と思えることって少ないし、「出来た!」までの道のりは1人でたどり着くには時間も労力も精神力も必要で。そんな中で「出来た!」を感じる経験は、きっと生活を豊かにしてくれるのではないかと、子どもたちとの関わりや、ダンスに再び挑戦したこと等を通して自然と考えるようになりました。

2つ目は、将来のことを今全部決める必要はないということです。私はちょうど就活の時期にさしかかっていることや、周りの女子医学生が結婚や出産の話題を口にするようになり、将来に対して漠然とした不安を感じ、ずっと悩んでいました。

訪問診療に一緒に行かせてもらった先で、将来に悩んでいることをおばあちゃんに伝えると、「何か一つ強く好きなものを見つけたら、あとは行き当たりばったりでいいのよ」という素敵な言葉をもらいました。キャリアについて色々話を聞いてもらうなかで、今全部決める必要は無いし、焦る必要もないんだな、と考えられるようになりました。不安は全部消えたわけじゃ無いけれど、二度と来ないこの瞬間を精一杯生きよう、と今は思っています。

なんだかとりとめのない文章になってしまいましたが、ほっちのロッヂさんで見たこと、聞いたこと、感じたこと、考えたことを大事にしていきたいし、ここで終わりじゃ無くて、次につなげていきたい、と感じています。
たくさんの出会いと、お世話になった全ての皆様に、心から感謝の気持ちでいっぱいです。(リポートここまで)

画像3

※写真左から2番目がきみさん、一番左がゲンゲン。右から2番目がまんぼさん。

素敵なアウトプットがどういう対話をもとに、どのようにできていったのか気になりませんか?是非以下の記事もチェックして、ほっちのロッヂの文化企画への応援💰をお願いします!

🏡今後の連載予定 ※( )内は更新予定日。2020年。
1. はじめの一歩、メンバへのインタビューリポート(8/2)
2. インターンと過ごす 1 week!ワークショップ密着リポート(8/4)
3. 早速第1弾!アウトプットDAY告知(8/6)
4. アウトプットDAY①リポート&動画(8/14)← 本記事
5. アウトプットDAY①フィードバックリポート(8/14)← 本記事

6. ゲストインタビュー①まんぼさん(8/17)
7. ゲストインタビュー➁俳優A(未定)
8. ゲストインタビュー③俳優B(未定)
9. いよいよ第2弾!アウトプットDAY告知(8/18)
10. アウトプットDAY➁リポート&動画(8/20)
11. アウトプットDAY➁フィードバックリポート(8/22)
12. 矢継ぎ早に第3弾!アウトプットDAY告知(未定)
13. アウトプットDAY③リポート&動画(8/27)
14. アウトプットDAY③フィードバックリポート(8/29)
15. 企画リポート速報「演劇は世界を動かしたのか?」(9/7)

このプロジェクトは、アーティストが一定期間ほっちのロッヂに滞在し、作品を制作する「交換留藝」の一環として行われています。現在、滞在制作に興味のあるアーティストを募集中です。応募は下記のフォームより。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

あの人に届くと、もしかするといいかもしれない、そんなことが頭に浮かんだならば、ぜひ教えて差し上げてください。

ほっちのロッヂにご興味のある方は、よければ、ご友人に直接話をしてくださったり、このnote記事に「スキ」、ツイッターなどSNSでシェアしてくださると、嬉しいです。

ほっちのロッヂ
info@hotch-l.com
書き手:井澤薫実
文責:唐川エミリー

ダンス振付:井澤薫実(曲:ウタ・アリィ「生まれる願い」作詞 ENA☆/作曲 横山克)
動画制作:市橋源

(2020.8.14 記事作成)

ありがとうございます。嬉しいです!
10
長野県軽井沢町(東京から約1時間) ほっちのロッヂは、元々里山だった少し小高い丘と小さな小川が流れる林の中にたたずむ、診療所と大きな台所があるところ。2020年4月に開業した、ケアの文化拠点です。http://hotch-l.com

こちらでもピックアップされています

食や文化のこと
食や文化のこと
  • 19本

診療所とデイサービス。だけれど、わたしたちは制度が示す役割以上のものを目指し「ケアの文化拠点」をつくろうとしています。

コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。