「ふとした時に、その方が「あ、今少し心を開いてくれたかな?」って感じることもあったり。そうするともっとその方のことを知りたくなる。」今月のちょっと長めのつぶやき(すぎー)
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「ふとした時に、その方が「あ、今少し心を開いてくれたかな?」って感じることもあったり。そうするともっとその方のことを知りたくなる。」今月のちょっと長めのつぶやき(すぎー)

初めまして。すぎーといいます!
さて今月、普段の診療活動の中でふと思った自分の気持ちについて、町中で出会ったスポット写真を紹介しつつ、ちょっと長めにつぶやいていこうと思います。(出てくるお名前は仮名です。)

●血圧が下がって私”も”嬉しくなった。それって面白いなぁという話

すぎー)「高血圧」って、生活習慣病なんです。薬でコントロールしていくことが多くて。数字だけみて判断するような診療が一般的なんですね。

タナベさんは、「畑やり始めた」、「お気に入りのこだわりの愛車で出かける」、他にも色々な形で軽井沢町ライフを楽しんでいて、いつもそれを楽しそうに話をしてくれるんです。

私はただただタナベさんの話を聞いていて、もちろん診療中ではあるんだけれど、私自身もこんな暮らし方が「楽しそうだなぁ」と思ったり、カメラの写真を一緒に見て「いい景色だなぁ」と思ったり。地元のスポットの話を紹介してもらって自分で行ってみたりして、タナベさんの見ている景色をいつの間にか自分でも楽しんでいて。

薬は飲みつつはいたけれど、タナベさんが心の底から毎日の暮らしを楽しんでることが伝わってきていて。そんなプロセスを経てタナベさんの血圧の値が下がった時、自分の心が自然と「嬉しい」って、思ったんですよね。

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(軽井沢の"オモウマイ(おもてなししすぎでうまい)"店。
メイン・ライス・スープに小鉢が2つ、
コーヒーつくって出てきたのがこのポット!)

●ケアするケアされるだけじゃないってこれだなと思った、こうありたいと願いを言ってもらえることに救われている件

すぎー)お看取りの話なんです。ミキさん、気持ちが悪くなることが多くなり、だんだんと食事が取れなくなってきて、痛み止めの薬が飲めなくなっていったんです。痛みを止める方法を変えなくちゃいけないねって、私は注射する方法を考えてたんです。

でも、ミキさんはもちろん、家族みんなで考えた結果、「暮らしの中に医療(的なもの)がいっぱい入ってくるのは嫌だから、注射ではなくてテープの薬を貼りたい」って、そう私に伝えてくださったんです。そこから少し時間を置いて、ミキさんは穏やかに、亡くなられました。

一見なんの出来事とも思えないかもしれないんですけれど、「〇〇にしたい」って言ってもらえたからこそ、私も手段を提供できたなって思っていて。
お家で行われているケアの現場だからこそ、本人と家族、ケアのチームが何度もやり取りを重ねて、それを試して、を繰り返す。

やっぱり最期に立ち会う身としては「こんなはずじゃなかった」って、居合わせるのはきついので。私たちの心としても、こうしたやり取りを重ねて、全うしてもらったほうが心穏やかに迎えるし、立ち会えるんだなぁと思いました。

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(入った瞬間に「最高の空間を作るぜ」の気迫を感じるお店。
フランクなマスターの声が渋い。和な洋食器が憧れ。
オリジナルの甘味ははじめての食体験でした。)

●新しい人に出会えるワクワク、それと同時にやっぱりその前に「私として」出会いたい話

すぎー)最近、訪問診療の活動で新しく出会える方がさらに増えていて。

家に入る時の緊張感ってあるんです。普通そんなに人の家って入らないじゃないですか。その瞬間、その人のワールドに入っていく、という感じ。

ほっちのロッヂの外来で待ち構えている時と違って、お家に足を踏み入れた瞬間、エネルギーに圧倒されて何も考えられなくなることもあるし、反対に穏やかになれる空間もある。周りがその人になっているお家。それが生活感と言えると思うんですけど。

初めて訪問した時は、その家の持つ、もしくはその方が持つエネルギーに合わせて「チューニングをする」んです。どこに座るか、声のトーンとか。話し始める言葉とか、その口調とか。緊張しながら。そうやって目の前の方と話し始めるんです。
回数を重ねたりしながら、緊張が溶けていくこともあって。ふとした時に、その方が「あ、今少し心を開いてくれたかな?」って感じることもあったり。そうするともっとその方のことを知りたくなる。

以前の自分と違っているな、と思うのは、ほっちのロッヂで出会う方たちと「病気になる前から出会えていたらいいな」って思うことが増えた気がする。

ほっちのロッヂにきて半年を過ぎて、これからはより出会いを自分で探していきたいな。

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(軽井沢の隣町、御代田町のお寺にて。
すぎうら史上、興福寺の五重塔につぐと思われる
精密さと荘厳さな三重塔を発見。)

最後までお読みくださり、ありがとうございます。

あの人に届くと、もしかするといいかもしれない、そんなことが頭に浮かんだならば、ぜひ教えて差し上げてください。

ほっちのロッヂにご興味のある方は、よければ、ご友人に直接話をしてくださったり、このnote記事に「スキ」、ツイッターなどSNSでシェアしてくださると、嬉しいです。

ほっちのロッヂ
info@hotch-l.com
話し手:すぎー
文責:藤岡

また、読んでくださると嬉しいです。
長野県軽井沢町(東京から約1時間) ほっちのロッヂは、元々里山だった少し小高い丘と小さな小川が流れる林の中にたたずむ、診療所と大きな台所があるところ。2020年4月に開業した、ケアの文化拠点です。http://hotch-l.com