【ケアのこと、1】そもそもの始まりは、「ちがうことを大切にしながら、混ぜる」が起点になっています。

私たち【ほっちのロッヂ】では、クリニック、病児保育、訪問看護、訪問診療、そして通所介護施設を運営します。そのケアの根幹ってどんなものだろう?
聞き手にブックディレクター/編集者の山口博之氏を迎え、共同代表・紅谷浩之(医師)と藤岡聡子(福祉環境設計士)が語っていきます。

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▶︎【ケアのこと、1】そもそもの始まりは、「ちがうことを大切にしながら、混ぜる」が起点になっています。

【ケアのこと、2】介護する人と介護されるという二者をつくらない。その人の強みや、繋がる力を引き出す環境をつくりだそう。

【ケアのこと、3】きっと迷うこともあるし、転ぶこともあるし、喧嘩することもあるけど、自分で選ぶっていうことにもう一回重きを置きなおそうっていのが、暮らしを守っていくこと。
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私は老人ホームの立ち上げをやってきて、介護の環境をつくってきたのですが、いつか、子どもたちの居場所と高齢者のいる場所が混ざり合った場所をつくってみたいという夢があって。でも全部つくるとなると、大変そう。誰かと一緒に連携できたらいいなぁみたいなことをずっと考えながらいたんです。そうしたら、本城さんが軽井沢で学校(幼稚園及び義務教育学校、軽井沢風越学園)をつくると聞いて、一気に自分のイメージが膨らんで。5年ぶりにお会いするのに、「こんなことをやりたいんです」って3枚くらいの情景を持っていったんです。(藤岡)
医療ケアが必要な子どもたちのケアをずっとやってきて。子ども達って、障がいあるない関係なく、可能性を信じてサポートしていくと成長するし、病気も乗り越える。ひょっとして医者の役割とかっていうのも病気なら見てあげようっていう役割じゃなくて、そういう病気が傘になってるところを取っ払ってあげることだけで十分じゃないかと思い始めたので、もうその頃から僕も、”病気だから”じゃなくて、子どもたち中心の地域医療とかまちづくりができたら面白いなって思っていました。(紅谷)
なので、(軽井沢風越学園が掲げている「大切にする在り方」の)「ちがうことを大切にしながら、混ぜる」ということ、自分たちで考えて動ける子どもたちを育てていくんだ、ということに衝撃を受けました。(紅谷)

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—2人の出会いの始まり、つまりケアってこうだよね、という話は、軽井沢町に住む本城さんとの出会いから始まったんですね?

藤岡:私は老人ホームの立ち上げをやってきて、介護の環境をつくってきたんだけれども、いつかその子どもたちの居場所と高齢者のいる場所が混ざり合った場所をつくってみたいという夢があって。でも学校を創るってなると大変そう。誰かと一緒に連携できたらいいなぁみたいなことをずっと考えていたんです。そうしたら、たまたま本城さんという方が、(元々面識もあったんですが)、軽井沢で学校(幼稚園及び義務教育学校、軽井沢風越学園)をつくると聞いて、一気に自分のイメージが膨らんで。5年ぶりにお会いするのに、「こんなことをやりたいんです」って3枚くらいの情景を持って行ったんですよね。本城さんもちょっとびっくりされていたけれど、そのときに私が出したのは、地域の子どもたちと高齢者のこういう場所を作りたい、是非一緒にしてくださいということをお願いしにいったのが、2017年7月ごろ。その少しあとの秋ごろに紅谷さんとお会いしました。

紅谷:僕は、2017年の8月だったんです。僕は本城さんに面識なかったんだけど、面白そうだから話聞かせてもらいたいというでなんとか繋がりを探って。それでお話し聞いたら、もう。

(軽井沢風越学園が掲げている「大切にする在り方」の)「ちがうことを大切にしながら、混ぜる」ということ、自分たちで考えて動ける子どもたちを育てていくんだ、ということに衝撃を受けました。同じですね、藤岡さんと。

—医療的ケア児の子どもたちの成長をみて、感じて来ていたことがあったと。

紅谷:はい。僕たち医療法人オレンジで、医療ケアが必要な子どもたちのケアをずっとやってきています。子ども達って障がいあるない関係なく、可能性を信じてサポートしていくと成長するし、病気も乗り越える。ひょっとして医者の役割とかっていうのも病気なら見てあげようっていう役割じゃなくて、そういう病気が傘になってるところを取っ払ってあげることだけで十分じゃないかと思い始めたので、もうその頃から僕も、”病気だから”じゃなくても子どもたち中心の地域医療とかまちづくりができたら面白いなって思っているときに、学園のことを知ったわけです。

藤岡:お会いしてすぐに、いや、介護施設、福祉の場所じゃなくって、果樹園を作りたいんですよってイメージをお話ししたら、「うん、うん!」ってお互いに共鳴しあって。そこから、どういう風にしたらその人らしさだったりとかその人がいるだけでも役割を感じられるようなものになるのかなみたいなと思ってて、一つ紅谷さんのお知り合いの方がある建物を新しく作られたっていう記事を拝見して、建築家の安宅さんにコンタクトしました。(そこからは、建築のこと に続きます)

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(この語りは、2018年8月31日に都内にて、ブックディレクター/編集者山口博之氏 を聞き手に迎え、インタビューを行なった内容を編集しています。)