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【食や文化のこと、2】在宅医療拠点、もとい、まちの文化の起点となれる場、つくります。

私たち【ほっちのロッヂ】、まちの文化が生まれる、”ケアの文化拠点”をつくりたいって、思っています。それってどういうことだろう?

聞き手にブックディレクター/編集者の山口博之氏を迎え、共同代表・紅谷浩之(医師)と藤岡聡子(福祉環境設計士)が語っていきます。

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【食や文化のこと、1】手のひらで育てて食べる行為を、もう一度、みんなの真ん中に持ってこようと思っています。

▶︎【食や文化のこと、2】在宅医療拠点、もとい、まちの文化の起点となれる場、つくります。

【食や文化のこと、3】ケアマネージャーがこの日にいけって言ったから今日集まったんじゃなくても、お腹すいたから来たんだ、いいにおいがするから来た。そんな出会い方をしたいですね。

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文化が生まれる場所を作れるのかなってと思ったんですよね。文化って何かというと、暮らしをすごく豊かにするものっていう一面もあるし、私の中では人から人に継がれていくもの、継承されていくものだと思う。」(藤岡)
幸せをつくるっていう立ち位置の、医療とか介護っていうのが、僕の中でずっとテーマで、在宅医療したりとか障害児ケアやったりとかしながら、どうやったら、生きるとか、ハッピーであれる、を支える医療者になれるのかなぁと手探りでやってきて、そういう意味では、文化っていうのは一番しっくりくる。」(紅谷)
一人一人の死が不幸で区切られているものではなくて、繋がっていけるからだと。そういう繋がりっていうのは、不老不死が不可能であるなら、文化という形が残っていくのだろうかと。そこに携われる医療者とか介護職っていうのはこれからのあり方なんじゃないかと思いますね。」(紅谷)

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藤岡:【ほっちのロッヂ】の近くに、教育施設がある。子どもたちが集まってくる。いわゆる、福祉とか医療っていうのを超えていける、もっと広くて深いものができるんじゃないかなと。
表現すると、文化が生まれる場所を作れるのかなって思ったんですよね。

—”まちの文化が生まれる”。どういうことだろう?

藤岡:文化って暮らしをすごく豊かにするものっていう一面ものもあるし、私の中では人から人に継がれていくもの、継承されているものだと思うんですよね。歌でもそう絵もそうだし、生活ぶりそのものも、考え方もそうだし。

私にとってお年寄りって、そういうのを残して欲しい対象なんですよね。だから安易な時間の過ごし方をして欲しくない。その人にしか伝えられないことがあるはずで、それを受け止めて咀嚼して体現していく営みそのものが文化なんだな、そういうのいいな、と思ったので、やっぱり文化拠点をつくりたいなと。

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—医者として、”文化をつくる”という違う言葉に置き換えたときに自分の医療活動がイメージできる?

紅谷:医療とか介護を合わせてケアと呼ぶものは、近くにあると安心ではあるけれど、出来ればお世話になりたくないっていうのが世の中の本音だったりするじゃないですか。あってほしいけど、お世話になりたくないっていう、すごく絶妙な存在感。

でも人はみんな、健康に幸せに暮らしていきたいし、最後は亡くなるときもハッピー、幸せに過ごしていきたいって思ってると思うので、じゃあ痛くなったら僕らの出番ですよって言ってると、痛くなるのを待ってるみたいで・・・。なんか、そうじゃない立ち位置が医療とか介護にもあるんじゃないかと思うんですね。

幸せをつくるっていう立ち位置の、医療とか介護っていうのが、結構僕の中でずっとテーマで、在宅医療したりとか障害児ケアやったりとかしながら、どうやったら、生きるとか、ハッピーになれるを支えられる医療者に支える業者になれるのかなぁと手探りてやってきて、そういう意味では、文化っていうのは一番しっくりくる

そこに医療とか介護の専門家がどうやって文化づくりに携われるんだろうという考え方をしたときに、初めてハッピー、幸せづくりにつながっていきます。

死ぬってすごく不幸なこと見えるけれど、実はずっと今までの何億人の人が死にながら次に伝えてきて、つながっていて。それがすべて不幸だったら、もう地球は不幸であふれるわけで、でもそうではないですよね。

それは一人一人の死が不幸で区切られているものではなくて、繋がっていけるからだと。そういう繋がりっていうのは、不老不死が不可能である以上、文化という形が残っていくのかなと。そこに携われる医療者とか介護職っていうのはこれからのあり方なんじゃないかと思いますね。

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(この語りは、2018年8月31日に都内にて、ブックディレクター/編集者山口博之氏を聞き手に迎え、インタビューを行なった内容を編集しています。)