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【ケアのこと、3】きっと迷うこともあるし、転ぶこともあるし、喧嘩することもあるけど、自分で選ぶっていうことにもう一回重きを置きなおそうっていのが、暮らしを守っていくこと。

私たち【ほっちのロッヂ】では、クリニック、病児保育、訪問看護、訪問診療、そして通所介護施設を運営します。そのケアの根幹ってどんなものだろう?
聞き手にブックディレクター/編集者の山口博之氏を迎え、共同代表・紅谷浩之(医師)と藤岡聡子(福祉環境設計士)が語っていきます。

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【ケアのこと、1】そもそもの始まりは、「ちがうことを大切にしながら、混ぜる」が起点になっています。

【ケアのこと、2】介護する人と介護されるという二者をつくらない。その人の強みや、繋がる力を引き出す環境をつくりだそう。

▶︎【ケアのこと、3】きっと迷うこともあるし、転ぶこともあるし、喧嘩することもあるけど、自分で選ぶっていうことにもう一回重きを置きなおそうっていのが、暮らしを守っていくこと。
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きっと迷うこともあるし、転ぶこともあるし、喧嘩することもあるけど、自分で選ぶっていうことにもう一回重きを置きなおそうっていのが、暮らしを守っていくっていうこと。

そうして選んだ先に、家の中に閉じこもっていく方向じゃなくて、家で安心したら、次は外に出てみよう。ああ、【ほっちのロッヂ】で楽しいことがありそうだぞ、でもまた家にも帰ろう、また来ようっていうのを繰り返せる。それが出来ていくのが、本当に生活者が暮らしているっていう状況かなと。
(紅谷)

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—軽井沢町でも、医療や介護がどんどん必要とされていく。【ほっちのロッヂ】ではどんなことができるんだろう?

紅谷:毎日の暮らしぶりの結果、介護的なもの(行為)とか、医療的なもの(行為)をだけをピックアップして、白い建物(病院というハコモノの中の意)の方に一回抽出っていのうが、今の流れです。
そうじゃなくって、解決しないことも多いかもしれないけれど、でも、暮らしの中で、こうすればいいとかっていうのを、悩みながら進んでいけるっていうのが、安心して過ごせる生活なんだと思うんですね。我々が関わっていれば絶対に死にませんとか、絶対痛くはなりませんとか、そういうことを守っていくのではなくて・・、きっと迷うこともあるし、転ぶこともあるし、喧嘩することもあるけど、自分で選ぶっていうことにもう一回重きを置きなおそうっていのが、暮らしを守っていく、みていくっていうことだと思うんで、それはお家での暮らしのスタートがいいと思いますね。(【ほっちのロッヂ】では、訪問看護・訪問診療を行います。)

—まずは、基盤をつくる。【自分で選ぶ】に立ち戻って。

紅谷:そうして選んだ先に、家の中に閉じこもっていく方向じゃなくて、家で安心したら、次は外に出てみよう。ああ、【ほっちのロッヂ】で楽しいことがありそうだぞ、でもまた家にも帰ろう、また来ようっていうのを繰り返せる。それが出来ていくのが、本当に生活者が暮らしているっていう状況かなと。

—出先(この場合は【ほっちのロッヂ】)でも、【自分で選ぶ】に立ち戻れる環境をつくっていく?

藤岡:そうです。だから、はい、もう10時ですね!体操です!風船バレーで風船飛ばしましょう!とかですね。そういう光景が本当に日常です。もちろん必要な動作もあるけれども。時間で管理されている。もちろん、時間で管理し、職員の人数配置や送迎の時間だったり今の方法は、理にかなっている。でも。やっぱりそれを一つずつ取っ払っていかないと、生活者の【自分で決める暮らしに近づかないんです。

今、診療所とデイサービスを(制度上とはいえ)始めるのだから、やっぱり私たちは問いを立ててそこに立ち戻らないといけないのかなと思います。こんなに豊かな時代、つまり選択肢が多い時代に生きている私たちにしたら、私たちが年を取って、高齢者になったときに、また塗り絵か、貼り絵か、ちぎり絵か、みたいな、そのいう選択肢の少なさっていうのは私たちの時代においては難しくなってくると思います。私たちの意思決定はどんどん個別化されてきているから。

となると今のこの時期、瞬間から、やっぱり私たちの望む老い方、暮らし方を作っていかなきゃいけないなって。今私たちは、確実に未来を作っているんだ、っていう意識をすごく持っているんです。

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(この語りは、2018年8月31日に都内にて、ブックディレクター/編集者山口博之氏 を聞き手に迎え、インタビューを行なった内容を編集しています。)